榊原信行密着!PRIDEから超RIZINへ繋ぐ放映権と世界構想
榊原 信行――日本の総合格闘技界を四半世紀にわたり最前線で牽引してきたプロモーターの眼光は、いまや世界規模の地殻変動を完璧に捉えている。熱いスポットライトが照らし出すリングの裏側で、いかにして観客の感情を揺さぶり、ビジネスとして成立させていくのか。格闘技興行の常識を次々と塗り替えてきた男の情熱は、とどまることを知らない。
伝説的ビッグイベントの時代から現代のマルチプラットフォーム展開に至るまで、稀代のヒットメーカーである榊原 信行氏の思考回路は常に時代の半歩先を疾走してきた。今回、取材班は彼の動向に独占密着。急加速するグローバル構想の全貌と、巨大配信プラットフォームを巡る攻防の真相に迫った。
PRIDEから引き継がれる熱狂と格闘技興行のDNA
日本の格闘技史を語るうえで、2000年代初頭に世界中を震撼させた「PRIDE」の存在を外すことはできない。大巨人の激突や人類最強を決めるトーナメント。あの熱狂を創り出した原動力こそが、現在のプロモーション運営における揺るぎない背骨となっている。単なるスポーツの試合にとどまらず、選手の生き様やドラマを可視化する演出手法は、今や世界基準のスポーツエンターテインメントとして昇華された。
勝敗の先にある人間の感情をどう切り取るか。時代が変わろうとも、リング上で紡がれるストーリーテリングの本質は変わらない。泥臭いまでの熱量と洗練されたマーケティングの融合。それこそが、過酷な格闘技ビジネスの海を生き抜いてきた最大の武器なのだ。
放映権ビジネスの変革:U-NEXT、ABEMAからNetflixまで
かつて格闘技興行の主戦場といえば、テレビのゴールデンタイム放送だった。しかし、デジタルシフトの波は配信ビジネスの地図を根底から書き換えた。国内ではU-NEXTやABEMAといった配信プラットフォームがPPV(ペイ・パー・ビュー)市場を開拓し、ファンの購買行動を激変させている。
さらに、グローバル規模でのコンテンツ奪い合いが激化する中、Netflixなどの世界的な巨大プラットフォームの動きからも目が離せない。放映権の分配構造やグローバル配信の独占契約は、団体にとって単なる収入源ではなく、世界へコンテンツを届けるための最重要インフラだ。プラットフォーム間の熾烈な競合を逆手に取り、コンテンツ価値を最大化させる戦略的駆け引きが水面下で繰り広げられている。
メガイベント「超RIZIN」舞台裏と朝倉未来が果たした役割
さいたまスーパーアリーナをはじめとする巨大会場を満員にする「超RIZIN」シリーズは、まさに現代格闘技の金字塔と言える。海外の強豪ファイターと日本のトップ選手が交錯する大舞台の裏には、秒単位で計算された演出と緻密なプロモーション戦略が存在する。
そして、この爆発的ムーブメントを語る上で欠かせないキーマンが朝倉未来だ。YouTubeやSNSを駆使して自らストーリーを構築し、新規ファン層をリングへと引き込んだ彼の発信力は、RIZIN FIGHTING FEDERATIONの成長スピードを劇的に加速させた。選手自らがセルフプロデュースを行い、プロモーターと共犯関係を結んで巨大な熱狂を生み出す構造は、従来の格闘技界にはない革新的なビジネスモデルを提示した。
「RIZIN LANDMARK」の成功とケージ戦がもたらす新機軸
リングではなくケージ(金網)を採用し、配信に特化した実験的試みとしてスタートした「RIZIN LANDMARK」。当初の配信トラブルを乗り越え、地方都市での大型興行やプレミアムな空間演出を確立したことで、今や主要ブランドの一角へと成長を遂げた。
四角いリングと丸いケージでは、試合展開も選手の戦術も大きく異なる。グローバルスタンダードであるケージ戦を取り入れることは、海外強豪選手の参戦障壁を下げ、世界展開へ向けた強固な架け橋となる。地方創生とデジタル配信を掛け合わせたこのフォーマットは、総合格闘技の可能性を都市部以外へも大きく押し広げた。
【独占追跡】榊原信行CEOが語る2026年世界展開の最新構想
2026年、RIZIN FIGHTING FEDERATIONは次なる壮大なフェーズへと足を踏み入れる。CEOである榊原信行氏が目指すのは、単なる海外大会の開催にとどまらない。各国の有力団体とのアライアンスを深め、アジア、さらには欧米市場へ向けた「世界規模の格闘技経済圏」の構築だ。
「日本で創り上げた最高峰のスポーツエンターテインメントを、世界共通の言語にする」。密着取材の中で彼が語った言葉には、並々ならぬ確信が満ちていた。放映権の世界的グローバル展開、海外ロースターの強化、そして新たなグローバルPPVモデルの構築。PRIDE時代からの悲願であった「世界制覇」に向けた最後のピースが、今まさに組み合わされようとしている。
スポーツエンターテインメントの未来:次世代格闘ビジネスの真髄
格闘技興行は今、単なる格闘技の枠を超え、音楽、映像技術、ファンダムビジネスが複雑に絡み合う総合エンターテインメントへと進化した。ファンの熱量をいかにデジタル上で循環させ、次代のスター選手を育成していくか。その解を探る戦いは終わらない。
時代の変化を敏感に察知し、リスクを恐れずに挑戦を続ける姿勢。混沌とするエンタメ市場において、総合格闘技が放つ唯一無二の輝きは、これからも世界中の観客を魅了し続けるだろう。リング上で繰り広げられるドラマの行く末から、一刻も目が離せない。 (出典: 榊原 信行(Yahoo!ニュース))